美味しいほっぺにくちづけて。
癌だったけど、延命治療はおばあちゃんの体力の衰えや、耐えらるか分からない、苦しませたくないため、自然にすると、家族で決めた。
八五歳の身体に負担を掛けさせたくなかった。



お父さんのお姉さん家族も加わり、おばあちゃんをみんなが見ていた。



「うみちゃん、来れて良かった。」



「うん、ありがと、ほのちゃん。」



ほのちゃんは、毎日、顔を出してくれていたみたい。



おばあちゃんは、みんなに愛されているね。



おばあちゃんを綺麗にしてもらうと、おばあちゃんは家に戻って来た。


亡くなったおばあちゃんを見て、認知症のおじいちゃんは泣いていた。




「ばぁちゃん、ばぁちゃん〜・・・」



とおじいちゃんは何度も、何度も言葉にしていた。
その言葉を聞いて、私もやっと涙が出た。



入院した朝も、おじいちゃんとおばあちゃんは揃って並んで、ご飯を食べていたのよ、とお母さんが教えてくれた。
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