Memorys
ケンカ、ケンカ、またケンカ?
「はぁ!?
ねぇ、また無視!?」

「...五月蝿い。」

「何その態度っ!!超ムカつくんですけど!!!!」



ある程度叫んで 野田《のだ》の方を見るとまた本を読み始めてしまっていた。


もうっ!
伝言頼まれただけなのに

「ねぇ、いい?あのさー 「...やだ。」 って返事早くない!?!?
ちゃんと聞いてよ!
学園長に伝言するように頼まれたんだからさっっ」


その言葉を聞いて本から目を離してこっちを向いた。


「...学園長が?...気が変わった聞くよ。」

「もう、最初から聞いてよね!
じゃあ1回しか言わないからちゃんと聞い 「...早くして。」 …わかったよ!!言えばいいんでしょ、言えば!!

学園内に喫茶店があるからそこに来てくれだって」


それを聞いてどうでも良かったらしくまた本を読み始めた。

今日は入学式だけということもあって学園長と担任の挨拶だけで終わった。


とりあえず喫茶店に向かおうと思い、準備をしていると後ろから声をかけられた。


「...月野。」

「何?」

「...行くぞ。」

はっ!?
行くってどこに!?!?

「...喫茶店、行くんだろ?」

「え...興味ないんじゃなかったの?」

「...興味ないなんて一言もいってない。」

はいはい、そーですか。
要するに行きたいのね、野田も


「...五月蝿い、早く行くぞ。」

「はいはーい、行こう行こう」


全く……素直じゃないんだから

20分ほど歩いているとオレンジ色の屋根の建物が見えてきた。


「ここ?」


「...多分。」


「ふーん、
なんかこの店可愛いね!」


回りをキョロキョロしながらはしゃいでいると野田がスタスタと歩いて行ってしまった。


「ちょっと!まってよ!!」


「...なんで?」


「え。だってどこから入るのかわからないし...」


「...それだけ?」


「そう。」


あたしがそう答えると野田は少し奥のドアを指さした。


えっと…ここから入ればいいのかな?


「ねえ、あそこから入るってこと?」


あたしがそう聞いても無視してドアの方へ行ってしまった。

「...早く、置いて行くよ。」


「ちょっと待ってってば!」



建物の中に入ると、あたし達より早く来ていた生徒が1人居た。



「あれ、雪《ゆき》だ?」


「あ〜っ!
もう!!歌恋《かれん》遅いよ〜。
待ちくたびれちゃったっ。」


雪とは元々中学が同じだったし、学校が同じなのは知っていたけどここに居るのは予想外だったから正直、驚いた。
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