過去恋に今の鼓動を重ねたら
圭司とは、会社帰りに何度かご飯を食べることがあった。だけど、こんなふうに改まった形で誘われるのは珍しい。


「じゃ、土曜日はどっちの家にする?」


「え、どっちの家って?」


ご飯を食べることがあっても、それは外でだった。圭司の家はあの1度しか行っていないし、私の家にだって、熱が出た時だけしか来ていない。

それなのに、さらりと自然にどっちにする?と聞かれた。

でも、さらりと答えられない。


「餃子が食べたいから、一緒に作ろうかと思ってさ。俺、包むの得意なんだ」


「餃子?私も子供の頃からやっているから、得意だよ」


「うちにあるホットプレートで、焼こうかと思うんだけど」


「ホットプレート?楽しそう!じゃ、圭司の家に行くね!あ…」


ホットプレートに並ぶ餃子を想像した私は迷うことなく圭司の家に行くと言ってしまい、言ってからだが、慌てて口を押さえる。

押さえても言ってしまったものは、消せない。
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