はるのリベンジ




そんな5月始めのある夜。月が雲に隠れて、真っ暗になっている夜だった。宿の外に気配を感じる・・・。



先生を起こして、着物を着せる。


私もすぐに着替えて、刀を握る。



はる「東行先生・・・。ここにいて下さい。」



私は、隣の部屋にいた、燕石様を呼びに行く。


はる「今から、確認してきます。」


そう言って出て、外を確認。


はる「表に3人・・・。裏に3人・・・。私、一人で何とか出来る。」


もし、沖田組長並みの人だとダメだろうが・・・。



私は、部屋に戻る。


はる「表に3人。裏に3人です。俺一人で何とかします。燕石様・・・。東行先生をお願いしま・・・。」


東行「何を言う!おなごに護られたくはないと・・・。」


はる「おなごじゃない!梅之助ですっ!それに、こういう血生臭いのは、慣れてます。」


東行「だったら俺も、」


はる「先生は確実に生きないといけませんっ!俺も、まだまだ、先生のお役に立ちたい。死にませんよ?」



裏に隠れている3人に苦無(くない)を投げつけた。



これも、月隈先生の教示のおかげ。


「おわっ。」

「気付かれた!」

「行くぞ!」


ダダダダダダッと廊下を走り、刀を抜いた奴に、苦無を投げつける。


ザシュ。


斬り込んだ。


銃は持っていないようだ。


はる「行って下さい!」


燕石様に先生を脇から逃がしてもらう。


すると、


東行「何を言ってやがる。ここで逃げたら末代までの恥・・・。」


先生は、懐から銃を出して、


パァン。

パン。


敵が倒れた。


私は、踏み込んで相手の胸を突いた。


ザシュ。



そして、全てが終わり、敵は、誰も動かなくなる。


燕石「ここは、私が何とかしておく。早く逃げなさい!」


はる「ありがとうございます!」



そして、燕石様の同志、古市 麦舟様の案内で、伊予川之江まで出て、そして海路で、備後鞆ノ浦へと逃れて、潜伏した。




はる「先生・・・。」


東行「なんだ?」


はる「今回のこれは、先生のせいです!」


東行「っ。」


はる「わかってますよね?花街で毎晩、宴で盛り上がっていたら、気付かれます!次からは気を付けて下さい!」


先生も、わかっていて、反省しているのか、それ以上は、反論して来なかった。



そして、何とか、5月下旬頃、下関に戻ったのだった。










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