はるのリベンジ




その頃から、沖田組長の体調は、日に日に悪化していった。



寝込むことも多くなる。



私は、医術書を読み漁り、小川先生にもよく相談していた。




治療法がない・・・。


でも、絶対、諦めない。



しかし・・・。



沖田「ゲボッ。ゲボッ。ゴホッ。ゴホッ。ゲバッ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。」




総司様は、血を吐いた。



はる「総司様・・・。」



私は、総司様の口元を手拭いで拭いて、背中をさする。




はる「沖田組長・・・。近藤局長と、土方副長に報告します。いいですね?少し、任務を減らすべきです。総司様にしか出来ないこともあるかと思いますので、出来る限りは、日常の任務は、医術担当として他の方に任せるべきと判断します。」




総司様は、ギュッと、私に抱きついてコクリと頷いた。



私は、熱のある総司様が落ち着いてから、土方副長の所へ行く。




はる「土方副長。梅です。宜しいでしょうか?」



土方「あぁ。」



「失礼します。」と部屋に入る。



はる「お話ししたい事があります。」



土方「まさか、ヤヤコ出来たから辞めるとかか?」



はる「違います。」



冗談を言う雰囲気で無いことを悟り、土方副長は、真剣な顔つきになった。



土方「何だ?」



はる「沖田組長の体調の件で報告があります。」



ピクッと土方副長の眉が上がる。



ジッと見つめられる。



はる「労咳を患っていらっしゃいます。」



土方「やはりそうか・・・。」



はる「はい。色々と調べてはいますが、治す方法が見つからないです。」




土方「そうか・・・。」



はる「このまま、何も出来なければ・・・。一年もつかどうかというところです・・・。」



土方「っ・・・。一年!?」



はる「はい。ですので、なるべく隊務は、休ませてあげて欲しいです。ただ・・・。ご本人は近藤局長の為に命を捧げるおつもりですので、必要な時は、頼ってあげて欲しいです。」





土方「わかった・・・。いつからわかってた?」



はる「私と、総司様が夫婦になると報告した前日にはわかっていました・・・。沖田組長の意志で出来る限り、隊士として・・・。近藤局長の為に働きたいと仰っていましたので・・・。」



土方「バカな奴だ・・・。」



そう言って、土方副長は、顔を手で覆う。


土方「近藤さんには、俺から言っておく。ご苦労だった。総司を頼む・・・。」



はる「はい・・・。」



私は、部屋を出た。




はる「っ・・・。」




私は、涙が零れそうになる自分の頬をパンッと叩いた。



はる「泣いちゃ・・・。ダメだ・・・。諦めない・・・。」






< 241 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop