元ヤン彼女×冷酷彼氏 【完】
その後ろ姿には見覚えがあった。


あの風に揺れるふわふわな髪の毛、そしてあの立ち姿。


「…有馬、遥…」


私は彼の名前を口に出していた。


そして考えるより先に足が動いていた。


中庭へ行くと有馬遥は私に気付いて振り返った。


「やっと、会えた……」


ずっとずっと会いたかった。


……最近は忘れていたが。


胸の鼓動が徐々に加速する。
< 33 / 207 >

この作品をシェア

pagetop