ダンデライオン
Flower1*お熱いのがお好き?
5歳…いや、それよりも上だったか下だったか。

所詮、幼い頃の出来事だから覚えていなくてもいい訳なんだけど。

「忍兄ちゃん、大好き!」

「俺もアサちゃんのことが大好きだよ」

「じゃあ、大きくなったら麻子と結婚してくれる?」

「もちろん!

アサちゃんが大人になったら、忍兄ちゃんのお嫁さんにしてあげるよ!」


ジリリリリ…

ふとんから手を伸ばして目覚まし時計を止めた。

「――うー…」

まだ眠たい躰にムチを打つと、タオルケットから這い出た。

シャッと水色のカーテンを開けると、まぶしい朝の光が眠たい目を刺激した。
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