ダンデライオン
Flower9*忍さんの恋愛事情-Sakutarou-
――朔太郎、京都へ行っちゃうの?

そう言った麻子の顔が、頭の中から離れなかった。

「今日、麻子ちゃんこなかったね」

店じまいをしていた時、逢坂さんが心配そうに言った。

「ああ、そうですね…」

俺は呟くように答えると、ふきんでカウンターを拭いた。

「ナンちゃん、京都のことなんだけど…」

話を切り出した逢坂さんに、
「わかっています。

彼女と話あって、なるべく早く返事を出します」

俺は言った。

「いや、ゆっくりでいいよ。

2人でじっくりと話あって、返事を言ってくれればいいから」

逢坂さんが言った。
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