狼×4+私=架空世界
まずこの施設内の大きさ、形を把握する。

千里眼を駆使して、全体を見渡した。

形状を把握したところで、彼らが私達に向かって襲ってきた。


私は近くに山積みにされていた鉄パイプを手に持ち、それを振り回した。


蹴散らされる、人、人、人。


白衣がひらひらと、凶器を避けて舞う。

力いっぱい振ると、ガツン、と何かに打ち当たった音がした。


彼らのうちの一人が、頭にこれを喰らったのだ。

甲高い奇声を発し、そいつは地面に倒れた。

「それ」に駆け寄る女を、後頭部目がけて後ろから叩きつけた。

女は顎から地面に着地した。


ゴツン、と骨の砕ける音が肉越しに聞こえた。

その時、鉄パイプを持って降ろした手を掴んだのは。


「由依。もう、やめて」

「科野……」

「こんなの、この人たちと何ら変わりないじゃん。」


頭に何かがめり込む感覚が体を走った。

そうだ。確かに。

今、私は他人の人生を奪ったのだ。

これでは、私たちの10年を奪った彼らとほとんど変わらない。


そんなことを思うと同時に、身体から何か冷たいものがこみ上げてくる。


今までの狂気が抜けたように座り込んだ。

科野に身体を支えられる。


「……助けて」


意味も分からず、そんな言葉をぼそりと呟いた。
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