夏のわすれもの
「さあ、いつからでしょうかね?」

「えー、教えてくださいよー」

彼女が困ったように眉を下げた。

そんな彼女を見た瞬間、知らずに笑みがこぼれ落ちた。

本当は、早く彼女に教えてあげたいところ。

彼女に思い出してあげたいところ。

けど…今は、黙っておくことにした。

俺だけの大事な思い出にしたいからだ。

俺と君が出会って、全てが始まったからだ。

君が思い出すまでと言うのは大げさだけど、いつかはちゃんと話すつもりだ。

あの日、君と出会った海で。

☆★END☆★
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