嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。

放課後の予鈴が鳴る中、貴方はテープでツギハギだらけの学校新聞を貼り直してくれた。
廊下に伸びる、貴方と私の影は、離れたくないと寄りそっていた。

中学になって、檀祖は男子、女子は女子にと群れる中、貴方は顔を出してちゃんと私に手を振った。
学校から戻って、二人や三人で勉強するのが好きだった。

堪らなく愛しくなる。

高校になると、カップルは増えて行って、私と貴方が一緒に居るのが増えても別に中学みたいに冷やかさせることもなかったんだ。


――貴方の思い出の中にもちゃんと幹太は居るんだね。

新聞を破った巴ちゃんと立ち回りして、右手に包帯をぐるぐる巻いてきたね。
心配して、お礼とごめんねをしたら、怪我が治るまでずっと無視されてた。

今なら分かるよ、私が責任を感じないようにわざと距離を置いたのを。


店番ばっかで、一緒に勉強会に参加してくれなくなったのも。
製菓の学校になったのも、私が言った宝物を守ろうとしてくれたんだって。

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