雪恋~幼なじみとのクリスマス~
教室を出て、走り出した。
確か、奈央ちゃんの家は何度か行ったことがあるから、場所は分かってる。


とりあえず、出るか分からないけど、拓海に電話をかけた。

何度目かのコールで、

「どうした?お前、授業じゃねぇのかよ。」

「あんただって一緒でしょ!」

私は息を切らせて走ってるから、喋るのがきつい。


「何だよ、どこにいるの?」

「今っ…」

拓海に会いに…

ちょっと待って。

何て言えばいいの?


「何だよ、早く言えよ。」

「拓海に…」

「あ?」

言えない。

いざ拓海の声を聞くと、言えない。


優香ちゃんに、素直になれと言われたけど。


「拓海、今どこにいるの?」

「今、奈央ちゃんの家だけど。」




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