英雄の天意~枝葉末節の理~
 彼はよくそう述べて立腹していたが、世界が形作られた頃に必要だった種族に過ぎないのではないかと私は考えていた。

 エルフ族は全盛期に比べて著しく数を減らしている。

 永遠の命なれど、決して死からは逃れられないのだ。

 穏やかな感情は人間ほどの豊かさもなく目の前が見えなくなるほどの強い欲望もない。

 古から続く種族はしかし、変化に対して著しく弱い。

 人が現在、これほどの繁栄を見せているのは世界の変化に対応してきた事によるものだ。

 人は今や、数を減らしている種族の隙間を埋めるかのように増え続けている。

 その中で、エルフは人との間に子をもうける事が出来た。

 互いに愛し合える種族であることはそれで証明された。

 しかし、両方の血が混じった子らはどちらからも忌み嫌われる存在となってしまう。
< 117 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop