英雄の天意~枝葉末節の理~
 男はネルオルセユルと名乗り、村が用意した食べ物を前に腰を掛け背中に背負った剣と分厚いマントを脱いで脇に据えた。

 背中に装備するためなのか、剣の抜き出しを滑らかな動作で行えるようにと鞘は途中から片面が抜けている。

 その刃は炎を赤く照り返し、さながら血の如くラーファンを魅了した。

 ネルオルセユルは屈強な戦士なのだろう。

 どの村人よりも体格が良く、突き出た腕は彼の強さを物語るに足るほどに鍛えられている。

 枯れ葉色の瞳は心に何かを留めているのか、堅固(けんご)なまでの輝きを宿していた。






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