続 音の生まれる場所(下)
プロローグ

はじまりの時

春の定期演奏会の帰りが、彼とのはじまりの時。

一緒に肩を並べて歩いた道。

いつまでもこの幸せが続いて欲しいと思う程満たされた。

会わなかった時を埋めていくような言葉の数々。

二重奏のことを言い出せなかった理由…電話番号とメルアドの交換…

気になっていたことを全て聞いたつもりだったのに。

…後になって気づいたの。

貴方が暮らしてたドイツでの日々、自分が過ごした日本での日々、

何があったか、どんなだったか…何も話し合わなかった…って。

埋めたつもりでいた時間。

ホントはまだ、何も始まっていなかったね……


< 1 / 72 >

この作品をシェア

pagetop