センチメンタル・スウィングス
「慎矢さん、犬飼ったことあるの?」
「ないよー。でも、時たま友だちの犬の散歩に行ってるからなー」

なるほど。それで慣れた手つきでベニーにリードをつけてるのか。

「あら桃ちゃん。可愛い耳飾り、つけてるじゃない」
「耳飾りって・・・。ピアスだよ」

これは、一昨日の私の誕生日に、和泉さんからプレゼントされたものだ。
実はこれ、イヤリングだったんだけど、「ピアスに変えることもできるよ」と彼から言われて。

3日は、ひな祭りのイベント最終日で、私たち二人とも一日中仕事だったし(しかも別会場だったので、朝しか会えなかった)、翌日の4日も、私たちは仕事だったので、二人そろって休みの今日、私の実家に寄る前に、イヤリングをピアス仕様に変えてきた。

小さな桃色の花モチーフがついてるこれは、イヤリングよりピアスのほうが合ってると思ったから。
そして、根拠もない、ホント、“何となく”だけど、「私は大人の女だ」と、実感したから。

和泉さんは、あえてイヤリングをくれることで、私がそう思っていると気づかせてくれたと思う。
それでいて、彼自身から直接言われなかったけど、「いつピアスに変えてもいい」し、「ピアスに変えるのは私自身だ」という選択肢も与えてくれた。

この人、私以上に私のことを知ってるかも・・・。

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