君の隣しかいらない
お試し
保健室にベッドは一つしかなくて私は
「ベッド使う?」
と、言った。





「いや、俺しんどくないから大丈夫。雪が使っときな。」


……今…なんて…?雪って…言った…?
心拍数が上がる。


「じゃあ、私がつかわせてもらうね」

うふふと嬉しそうに言った。



「うん。じゃ。」
立ち去ろうとする慶和くんの背中に声をかけた。


「ねぇ。」


私は慶和くんの手首を引っ張った。



「なに?」



そのまま手を引っ張って私のところにたぐりよせた。

そして抱きしめた。

「だめ。まだ行かないで。」


びっくりした顔も愛おしく感じた。



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