らぶ・すいっち



 
「出版社の意向とは関係なく、この土曜教室の雰囲気が好きですから。記事として載るなら皆様と一緒がいいと思っていたので了承していただけて嬉しいです」

 ホッとした様子の順平先生を見て、メンバー一同嬉しそうだ。

 この土曜教室のいいところは、こうしたアットホームで団結力があるところ。
 それを順平先生も感じているということだろう。

 信頼関係からなっている、この土曜教室。やっぱり好きだなぁと私は改めて思いを深くした。
 
「取材は来週の土曜日です。皆さんの料理風景を取材しにきますので、よろしくお願いします」

 穏やかに笑う順平先生を見て、おば様たちは俄然やる気満々だ。
 
「わかっているわよ、順平先生。フリルがいっぱいある可愛いエプロンをつけてくるわ〜」
「めいいっぱい化粧で化けてくるわね。そうだ、京香ちゃんにやってもらおうかしら」
「え? 私?」

 突然話を振られてビックリする私に、おば様たちの笑い声が響いた。

「そうよ。プロにお願いしたほうがいいわよね。京香ちゃんってばシュプリーズのビューティーアドバイザーやっているんでしょ?」

 慌てる私を見て土曜メンバーはニマニマと笑い、心底楽しんでいる様子だ。
 脱線気味になりつつある私たちに、順平先生はパンパンと手を叩いた。

「さて、それではいつものように教室を始めますよ。説明始めますから、頭を切り換えてくださいね」

 先生の声を聞き、私は慌ててノートを取り出した。メモの準備だ。


< 48 / 236 >

この作品をシェア

pagetop