青い記憶
Restore Love

夕方、晴くんと家を出て、外でデートをしていると、1人で歩いている美優と遭遇した。




「あ、多野カップル!今日もラブラブですね〜、どこにおでかけ?」




いつもの明るい笑顔で絡んでくる美優。




「お腹空くまでどっかで時間潰そうと思って。スタバ行く?て言ってたところ」




「2人の相変わらずのラブラブさは眩しすぎるわ。楽しんできてね!」




笑って言うと手を振り去って行く美優。




「…美優、空元気かな?どっちにしろ複雑だよね…」




「あいつらさ、ヨリ戻すかもしれない」




晴くんの突然の言葉に驚いて顔を見上げた。




「え、なんで?本当に?」




「俺さ、先週啓介と話したんだよ。相馬が橋田に告白された2日後くらいかな?まだ好きなんだったら手遅れにならいうちに相馬のこと取り戻せよって」




晴くんの話に聞きいる。



赤く染まる空に、時々吹き抜ける秋の風が心地いい。




「そしたら、相馬が告白された日、相馬が女子に嫌味言われて啓介が助けただろ?その日の夜に相馬からお礼の電話がきたんだって。そのまま話の流れで付き合ってた頃の思い出話みたいになって、電話はそれで終わったらしいけど、俺的には周りが2人のこともうちょい押したらヨリ戻せそうな気がする」




晴くんの言葉に自然と頬が緩んでいく。




「俺もあいつらには戻ってほしいから。2人で押そう、あの2人」




そう言って私に微笑む晴くん。



私も笑顔で頷き返した。







今となっては、この時のこの決断も、あってたかなんて分からない。



もうずっと前から歯車は、ずれていたかもしれない。



だけどそんなことですら今は狂おしいほど愛おしい、大切な思い出。

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