青い記憶

「亜美〜、啓介が授業中寝てたら遠慮せず叩き起こしてね!本当に亜美だけが頼りだから〜。後、もし女遊びが激しそうだったらすぐ報告して!ある程度はもう諦めてるけど、みてなかったら何しでかすかかわんないからさ」



クラス発表の後、美優が真っ先に駆け寄って来てこんなことを言ってきた。



「寝てたらそりゃ起こすけど、女遊びは大丈夫でしょ」



すぐそこに森本くんがいるのに、こんな頼み事を教室で大声で言う美優。苦笑いしかできない。



「本当、お前どれだけ俺を信用してないんだよ!俺がいつ女遊びしたんだよ!」



森本くんが不満気に間に入ってくる。すると私の肩に乗せていた両手を自分の前で組み、森本くんを見上げる美優。



「啓介にとってはあれが普通だから気づいてないかもしれないけど、彼女持ちにしては女にベタベタしすぎだから!」



「えー!俺ベタベタしてねーよ!」



確かに森本くんは、モテる顔だしチャラい性格だから女の子がよく寄ってくる。美優と付き合う前は寄ってくる女の子たちとずっと喋っていて、なかなかボディタッチも激しかった。


森本くんに寄ってくる女の子たちは、森本くんと美優が付き合い出してもおかまいなしだ。最初の頃は、美優はそんな光景を見るたび腹を立てていたけど、なんだかんだ森本くんは美優しか見えていないから許していた。



森本くんも美優と付き合いだしてから、寄ってくる女の子にそれなりに愛想よく返すけど、美優を見つけるとすぐに美優の元に寄っていく。



森本くんは本当に美優のことが大好きなんだよ。



きっと美優もそんなことはわかってるだろうけど、やっぱりクラスが離れるとなったら不安なんだろうな。他のクラスにも美優が付き合う前から森本くんを狙っていた女の子は沢山いるわけで、そんな子がもしかしたら今年森本くんと同じクラスになっていたりするかもしれないんだ。



「私がいるから大丈夫だよ!休み時間うちのクラス遊びに来てよ!お弁当も定期的にみんなで食べよう!」



みんなとはもちろん6人のこと。私の提案に「亜美大好き〜」なんて抱きついてくる美優。


でもきっと森本くんと美優なら大丈夫。お互い思いあって、本当にお似合いのカップルだから。誰も邪魔なんてできないよ。



「いいじゃんいいじゃん!早く計画立てよ〜!」



私たちの会話を聞いて琴音もやってくる。



美優も琴音も晴くんもクラスは離れてしまったけど、高2も楽しくなりそう。

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