この声は君への愛を囁くために
失ったもの



小さい頃から歌うのが好きだった。

夢は歌手。

ずっとそう言い続けてた。


「愛紅(めぐ)の声、ほんと凄いよね!

歌い出しの第一声聴いた瞬間鳥肌立つもん!」

「俺らはぶっちゃけ下手くそだけど、

愛紅だけは本物だからなー」

「このバンドだって、愛紅を歌わせる為に結成したようなもんだし?」

「だからさ、おまえはいつでも好きに歌えよ」


高校に入って軽音部に入って、バンドを結成した。

キーボードの奈々(なな)は、あたしの親友。

ギターの光一(こういち)はその彼氏。

ドラムの謙也(けんや)は友達。

そして、ベースの秀(しゅう)は、あたしの彼氏。



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