ハンバーガーと私とガールズラブ
「ご、ごめんね、穂波ちゃん。」


「ううん。先輩、辛い時は、泣いても良いんですよ。」


「穂波ちゃん。」


「先輩は、入学式の日、私を助けてくれたんですよ。忘れてるかもしれないけど。同じように、私に優しくしてくれて、私を慰めてくれて。」


 正直覚えてない。なんとなく、そんなことあったかななんて記憶はおぼろげにあるけれど。


「先輩……」


 穂波ちゃんは私の髪に触れ、それから私の頬に手を添えて、それからつま先足で背伸びをして。


 私にキスをした。


 唇が、ちょんって触れるくらいの、すぐにはそれがキスだなんて気づかないくらいの。


「守ってあげたいんです。今度は私が先輩を。」


 穂波ちゃんはそう言うと静かに微笑んで、それから私が段々と顔を赤くしてしまう様を見てから、ふふっと笑って、言った。


「キス、しちゃった。私、キスしたの、初めてです。」
< 62 / 166 >

この作品をシェア

pagetop