紙飛行機にのせて…
あれは…確か…


***

「はい、すみません。補習?あー、はい…分かりました。」

電話可能な場所で、担任に連絡した。


ついでに、待っている間にまた花戸の病室に寄った。


間中さんの入っている診察室から、突き当たりの階段を登れば直ぐだった。



ほんのちょっとだけ寄った。
横のあるトーンケースみたいな棚の上に、紙飛行機を一つ置いて…


「い…」

「え?」

眠っている花戸が、口を動かし、喋った。

「花戸⁉︎」

「…」
一語だけだった。

「…花戸。」


慎也が声をかけると…
花戸は…一筋の涙を流した。

「え?えーと…あ、そうか。」



《昏睡しているが、植物状態にはなっていない!》
そう、頭で理解した。


診察室の前に戻ると、
「あ。」
間中さんが、出るところだった。


——————…

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