紙飛行機にのせて…
仏壇に座って、目を瞑り、手を合わせた。

「母さん。」
仏壇に飾ってある写真。慎也の母親の写真だ。


-ピンポーン
インターホンが鳴った。

「はい。どちら様でしょ…」
開けてすぐさま、閉めた。


「慎也ちゃーん?門前払い?」
ゆっくり、扉を開けると…

「小浮気(こぶき)さん…」
小浮気愛-Ai.Kobuki-。親戚。彼の母親の妹。


「今日も〜♪政人ちゃん、帰って来れないそうよ♪」

彼女は誰かれ構わず、ちゃん付けする。
それと…慎也には…

「慎也ちゃーん、可愛いんだからぁ〜♪」
頬ずりをし、抱きつく。すばやく・・・



「小浮気さん…離れてください。」

頬ずりしてくる彼女の頬を、両手でずいと退かした。


「え〜?いけず〜」
離してくれたものの、彼女は口を尖らせた。



「あ、そぉだ・・・」

仏壇のある所へ彼女は行き、手を合わせた。



来るたびに、彼女は手を合わせてくれるのだ。

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