紙飛行機にのせて…
「琴美…」

コッ。
壁に頭を少しうちつけた。


「王子様…?」
すぐ隣から、
聞き覚えのありすぎる声が。


「琴美⁉︎」

「王子様?ねぇ…」
王子様?


「王子様!」
琴美は、“王子様”と言うのを繰り返している。

「琴美。」

「違う…貴方は王子様じゃないの?」
夢遊病?


「琴美!」

「王子様じゃないの…?」

「…」
何も言えない。

(病院から、どうやって…あ、壁をつたってきたのか?)

けど、病院からはかなりの距離がある。


「琴美。戻ろう?」

「戻る?何を言っているんです…か…」


「ちょ、琴美⁉︎」

彼女は、
フッと意識が途切れ、慎也の胸の中におちた…

「琴美!おい!しっかりしろ!」



——————…

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