紙飛行機にのせて…
ガコッ…

車椅子を…急な下り坂の方へと…動かしてしまった…



「…!」
ものすごいスピードが出てしまった。

ゴォーッ!
スピードが落ちない。


ブレーキも…効かない。
(どーしよ、このままじゃ…)
後ろめたい思いが募る…


(下り終わって、電柱か人がいたら…ぶつかって…)

そう、覚悟を決め、
下り終わる寸前で、目をつぶる。



が…
衝撃音が出てない。


そっと目を開けると…

「見つけた。怪我はないか?」
慎也が車椅子を前で抑えていた…



「…ごめんな。傷つけたよな…」

琴美と同じ目線になって、
慎也は言った。

琴美は、何か言いたげに口をパクパクした。


「…まだ、喋れないか。」

スッと、投げつけたホワイトボードを琴美に渡してきた。
ペンと一緒に…


『傷ついたにゃ!(怒)』

そう書いて、
ぷくーっと、頬を膨らませた。

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