紙飛行機にのせて…
慎也が去って、琴美は咳き込む。

血が…ついていた。
「…っ!」

ハンカチの裏でその手を拭いた。

「やっぱり…時間ないのかな…」


引き出しから、カッターを取り出した。

-カチカチ…
刃を出す。


カッターを持っていない方の手を裏返す。


手の下の筋にカッターをたてる。
スーッと、そこを切りこんだ。


「フフ…血。もっと…」
深く、深く刃を刺し、
グーッとその部分を切っていく。


「ハハハ!…」
どくどくと血が流れる。

「自傷…しちゃった。」
-けど、いいよね?


「琴美ちゃん⁉︎」

「あ、紗子ねぇ…フフ…」


琴美の自傷癖がついたのは、
病気を発症してから、数ヶ月して。


「琴美ちゃん!薬は?」

「クスリ?知らな…」
意識が途切れた…


「わー⁉︎琴美ちゃん⁉︎」


***

「うーん?」

「良かった!気がついた?」

腕を見た。利き手ではない方の腕に包帯が巻かれていた。新しく…


「また…やっちゃったにゃ?」

「もう!運良く、私が来たから良いものの…!」

シュンと、琴美は項垂れた。

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