黒十字、邪悪なり
怪異駆逐対策局、西へ
45万9232人。

現在、都市に徘徊しているアンデッドの数である。

総人口が約46万人。

なので生存者は約1000人程度という計算。

その生存者も、頑強な建物に籠城していたり、バリケードを構築して屋上に避難していたり。

脱出の目処も立たず、ただ救助を待っている状態だ。

「全滅も時間の問題だな」

会議室で対策局長が呟く。

「何でですか!」

机をバン!と叩いて、セシルが立ち上がった。

「まだ分からないじゃないですか!私達怪異駆逐対策局が救助に向かえば、屋上で助けを待っている人達だけでも…!」

「分かっていないな、セシル兵曹長」

対策局長は煙草を咥えた。

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