蒼天の絆~夜空の琥珀2~
 
《治療は一刻を争う。少しでも短時間で医療機関に運び込むことは鉄則だ。

 だが、負傷者はうちではなく、わざわざ離れた八神医院に搬送されている》


「それは、どういう……」


《うちはこの区域でも大きな病院だ。疎ましく思われていても仕方ない》


「……ちょっと待てよ、親父!」



 混乱してきた。胸騒ぎがする。


 それなのに、こんなときに限って頭がよく働く。



「それは、タダ先生が裏で手を引いて、患者を盗ってるってことか!?」



 父は、否定しない。
 
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