蒼天の絆~夜空の琥珀2~
 
「で、今日来たのはその話と、もうひとつ言いたいことがあったから」


「言いたいこと?」


「……今までの、ありがとうの気持ち」



 それまでの硬い空気とは打って代わって、郁人くんの表情は穏やかだ。



「もう荷物は霧島の家に運んで、父さんも一緒に住めることになった。その前に、世話になったヤツに礼のひとつでも言わなきゃダメだと思ってな」


「そんな。私、郁人くんといて楽しかったよ」


「はは、それはよかった。でもここはきっちり。

 俺の勝手な都合でいきなり押しかけた上、生意気な態度取って、ごめん。迷惑もたくさんかけたし、怖い思いもさせた。

 でもセラは俺のこと見限ったりしなかった。すごく助けられたよ」
 
< 383 / 413 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop