続編☆やっと捕まえた



精神的にボロボロだった私の前に現れた

高井賢太郎さん。

直人が居ない寂しさと環境の変化に

心の隙間を埋めてくれるように
楽しい時間をくれた。
でも…それは愛じゃない。
そんなの、初めからわかってたなのに、
あなたの優しさに甘えて…。
すごく自分勝手で本当にごめんなさい。

賢太郎さんごめんなさい。あなたを傷つけたこと。
直人が私の心の中をどれだけ独占しているかを気付かされた。
「直人…。ごめんね。私…。心配ばかりさせて…。」ポロポロ落ちてゆく涙。

頬に触れる指先の温もり。
「葵?俺は、お前を信じてる。だから
葵は、これからも、俺だけの葵で居てくれたらいいんだ。わかった?」

「う、ん…。私…わかったの。賢太郎さんの優しさに甘えて…。最低だった。
でも…わかったの。
直人が
側に居ないと胸が苦しくて、かなしくて
自分が自分で居られなくなるの。
だから。もう…どこにも行かないで!」

直人の胸にしがみついた。
「そうだな。高井兄は、葵を本気で
好きだったと思う。ただ、そんなの
おれが認めない。葵は、俺の、俺だけの
子供達だけの大切な人なんだから」
「……。うっ…ひっ…」
「もう、涙はおしまい。笑って?
葵の笑顔が見たい…。」

背中にまわす手、
首筋に触れる唇。
「葵の香りだ。」
私は、回している腕に頬をすり寄せ
「直人の香りだね…。」

「少し眠ろう…。」
「うん…。おやすみ直人。」
「あ〜。おやすみ、葵、愛してるよ」

温もりに包まれ瞼を閉じた。


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