3日限りのルームシェア
「ところで・・・3日間とはいえルームシェアする訳だから
なにか決まり事とかあれば言ってほしいんだけど。」
決まりごとはいろいろあるが3日間だけだし・・・
家賃もあんなにたくさんもらっちゃったからあまり強く言え
ないでいた。
ただ一つだけをの除いて・・・

「どうしても守っていただきたいのは1つです。」
「一つ?」
樹はきょとんとしていた。
きっと何でもありのルームシェアとでも思ったのだろうか・・・
「女の人を連れ込まない事」
「女?」
「はい。いくら3日間とはいえ知らない女性を連れ込まれるのは
何かと迷惑なので・・・それを守っていただけなければ
即刻退去していただきます!もちろん頂いた家賃は返します」
鼻息荒く、言ってやったぜ!文句ある?
って顔で言ってみたが樹はきょとんとしたままだ。
そんな顔をされたらこっちが拍子抜けしちゃうじゃないか!
と思わぬリアクションに戸惑っていた。

「ごめんだけど・・・・俺って一体知香ちゃんにはどういう男に映ってる?」

予想外の質問に知香の方が固まった。
だって知香の知ってる樹はいつも女の人のチェンジが激しかった。
それは知香が実際に何度も目撃していたから嘘ではない。
でもどうしてだろう。樹は本当に困った様子で質問を投げかけた。

「だ・・だって、大学生の時の樹さんはいつもいろんな女の人と
付き合っていたみたいだったし・・・樹さんかっこいいから女の人の方が
ほっとかないというか・・・」

さっきまでの強気の発言はどこへやら・・・
知香の声は徐々にフェードアウトしていった。
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