3日限りのルームシェア
朝食は樹のために和食にした。
ご飯に味噌汁(今日はサトイモ)、納豆に焼き鮭、それに卵焼き。
卵焼きは好みがあるので甘いタイプのと出汁タイプの2種類を用意した。
焼き鮭が焼きあがった頃、匂いにつられたのか?
樹の部屋のドアが開き、知香と樹の目が合う。
「おはよう・・・おいしそうなにおいだね」
樹は何事もなかったような笑顔で挨拶をした。
「おはようございます。・・・ちょうど・・・ご飯が出来たんでよかったです。」
知香は目線を合わさず箸をテーブルに置く。
「顔・・・洗ってきます」
樹が洗面所に行ったのを確認すると急に力が抜けた。
「私一人でどぎまぎしてるとか本当に嫌だ。・・・寝起きもかっこいいじゃないか」
知香はボソッとつぶやくと一通り準備を済ませ、エプロンを外し
椅子に座った。
そしてこれからの長い一日をあのイケメンとどうやって過ごせばいいのか
悩むのだった。

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