3日限りのルームシェア
「ここって・・・・」
着いた場所は知香の母校だった。
どうしてここに来たのか・・・樹の考えてる事がわからなかった。
車を降りると樹に手招きをされ
校門をくぐる。
「なつかしい?」
「はい・・・・でも・・・どうして?」
「・・・とりあえず歩こうよ」
校門をくぐるとすぐ横には大きな校庭があった。
樹は校舎に向って歩いて行く
職員室のある校舎の裏にもう一つ校舎ある。
校舎と校舎の間にちょっとした庭園があり
学生時代はよくそこでお弁当を食べたものだった。
樹もここの卒業生だが知香が入学した頃にはもう大学生だったから
一緒に高校生活を送った事はなかった。
もちろん高校時代の樹のもてっぷりが有名だったのは
先輩達からよく聞かされていた。

樹は知香より先に芝生に腰をおろした。
知香も樹の隣に腰を下ろした。
二人の間の微妙な隙間が2人の関係を物語っている様だった。
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