3日限りのルームシェア
仕事を早く切り上げ、樹は梓の家に寄り流衣を迎えに行き
かえって来た。
「ただいま~~」
樹が帰って来た。
玄関には樹と樹の足にしがみつく女の子が立っていた。
「おかえりなさい・・・・流衣ちゃんお久しぶり。知香だよ」
「あ!知香ちゃんだ」 
・・・それだけ?いつもの知香ちゃ~んてハートマークが付くような
はしゃぎっぷりは・・・なかった。
そして真顔の流衣は知香の顔をジッと見つめた。
「・・・でもどうしておじちゃんのとこにいるの?」
流衣が聞くのも無理はない。

何もしらないから。

知香と樹は視線を合わせた
次に視線を樹から流衣に戻した。
「流衣ちゃんのママに頼まれたのよ。おじちゃんだけだと心配だからって・・・」
本当は違うけど・・・
「おじちゃんね~~」
樹はどうも知香におじちゃんと言われるのはいい気分じゃなかったようだ。
「べつに流衣はおじちゃんと2人でよかったのにな。」
不服そうな言い方に
知香は何とも言えない不安を感じた。

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