あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。








「ん……」



 うっすらと、あたしは目を開けた。


 まだ辺りは薄暗く、カーテンは閉まったままで日も差し込んでいない。


 朝じゃないのか……。


 でも、身体も頭もすっきりしたかも。


 結構寝たからなぁ。


 明日から訓練も復帰できそうだし、カカオに感謝しなきゃ……。


 そういえば……カカオはどこいった?


 あたしが寝たのを見て、帰ったかな。


 部屋隣だし。


 今頃あの二つの空間に繋がる部屋で公務にしているのだろう。


 あたしはゴロンとベッドの中で寝返りを打つ。


 あー、この布団あったかい。


 いいシトラスの香りもするし、クコがキレイにしてくれたのかな~。


 スベスベだし、あったかいし……って、え?


 もしかしてこれは……デジャヴュ?


 慌てて身体を起こそうとするけど、ガッチリと固められていてピクリとも身動きが取れない。


 うわわ!


 もう、なんでよ!


 そう、あたしはまた、ベッドの中でカカオに抱きしめられていた。


 でも、前と違うのは、カカオがあたしにとって他の人とは違うと自覚してること……。


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