あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。




「今のところはというのは……?」

「ああ、だから、これから戦争になりそうなんだ。 
俺たちは魔力を使えるが、オスガリアのやつらと比べたら人数は圧倒的にこちらの方が少ない。 戦争を避けることもできなくはないだろうが、被害が及ばないとは言いきれない。
もし、続けば、人数の多いやつらの方の勝ちは見えている。 俺たちは戦争はしたくはない。 だから、こちらから向こうを攻撃することはない。 だが、向こうは本気でやってくる。
 現に、こちらには怪我人や戦闘に出れないものたちも複数出てきているんだ」

「……なんとか、できないんですか?」



 あまりのあたしたちの世界とは掛け離れた話に、今度こそ脳がクラクラした。


 やっと出た声は、絞り出したようにカラカラで情けない。


戦争なんて、正直日本では遠い昔に起こったことにすぎなくて。


世界で起こっている紛争などは、テレビの中での出来事でしかなかった。


平和な世に生まれたあたしには、到底想像もつかない。


 


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