【短】溺愛ショコラ
「先生のこと、好きなんです…!」
どうしようもなく、好きなんだ。
いつから、なんて分からない。
いつの間にか彼に見透かされていた私の心の奥の奥。
『やっ…と、言ってくれた。』
「っ、」
閉じ込められた、私のよく知っている腕の中。
上から降ってくる、先生の安堵したような穏やかな声。
『長く待たせんなよ、バカ。』
「……ッ」
いつもよりも私の背中に回った腕の力は強い。
先生の胸から伝わる鼓動は、ドクンッドクンッと大きく私の耳に響いて、心が落ち着いていく。
恐る恐る、私も先生の大きな背中に手をまわした。
『――茉子。』
「……?」
名前を呼ばれて、顔を上げた先には男らしい端正な微笑みに魅せられて。