海と空と、太陽と
私がいつも降りる駅の次の駅で降りる。

「切符代は俺が出すよ、無理矢理連れてきちゃったから」

「え、でも悪いよ」

「いいから」

悠大君は優しく優しく私を連れてくれる。

悠大君は本当に優しいな。

将来はこんな人と結ばれたら、幸せになれるんだろうな、なんて思ったりした私。

さっきから人目が気になる。

悠大君を見てるんだね、みんな。

それから悠大君の家に着いた。

あれ、家の隣が大きな病院なんだけど
その病院の名前が、前田病院って…

「おいで??」

悠大君は私を家に招く。

「あ、うん」

正直男の子の家にお邪魔するの初めて。

「とりあえず座ってね」

そう言って悠大君は大きな箱を持ってくる。

私は大きなふかふかのソファに座った。

「じゃあ栞奈ちゃん、肩見せて」

そう悠大君は言ってくる。

「うん」

私はゆっくりブレザーを脱いでシャツを捲った。

「ほんと酷いね、大体なんで栞奈ちゃんにこんな事するの??」

「それは…」

悠大君は慣れた手つきで私の肩を手当する。

「私がムカつくんだよ」

「なんで??栞奈ちゃんをムカつく人なんていないと思うよ」

「そんなことないよ」

「ううん、一緒にいてこんなにも癒されるから」

「悠大君…」

嬉しい。

「よし、これでいいかな」

「ありがとう」

悠大君は私に微笑んだ。

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