あなたに逢えてよかった。~叶え、夢~

ツアーが終わってから、二週間がたとうとしていた。
いつもとかわりのない曇りの日だった。
私は、不安で仕方がなかった。
なぜなら…三回ほど、沙織ちゃんと悠哉が一緒に居るところをみてしまったから。
でも、たまたまだよね!って思っていつも通り、悠哉と接していた。

私はこの日、雑誌の撮影のためにスタジオに行っていた。 
事が起こったのは、撮影が終わって、帰ろうとしていたとき。
スタジオから10分歩いたところに駅があって、雨が降っていたから…コンビニで傘を買ったんだ。
そして、私は駅に向かった。

あの時、傘を買っていなければあの現場を見ずにすんでいたのに。
私は……馬鹿だ。


私は駅まであと30㍍のところで立ちすくんでしまった。
私の30㍍先には、悠哉と沙織ちゃんがいた。

あり得なかった。


女の子の事が苦手な悠哉が、特に苦手な性格な沙織ちゃんと仲良く並んで歩いているなんて。
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