大人の恋の終わらせ方
「…先程、ホテルへ送り届けました」

榊は車の運転席から、夜空を見ると答えた。

「そうですか…榊さん」

「は…はい?」

「今日はどうもすみませんでした…私事に巻き込んでしまったようで、報告して頂ければ…」

「静時君、一つお聞きしてもよろしいですか?」

「はい」

「どうしてプロポーズを断ったんですか?」

「…先に、自分が質問しても良いですか?榊さん」

「え?はい、どうぞ…」

「どうして居場所を教える気になったんですか?榊さんらしくもない…情に流される人ではないでしょう?」

「意外に、流されるたちだったみたいですよ…綾子さんの瞳があまりにも必死だったものですから…」

「なるほど…では、自分も本音で行きますね…」

鳴海は仕事帰りの途中…止めた車の中で電話をしながら、窓を開けると答えた。

「…ぶっちゃけ、ここに来てから今日、綾子さんに会うまで、彼女の事をすっかり忘れていたんですよね…」

「…冷たいですね…」

「ええ、自分でもそう思います…そんな男が綾子さんと結婚しても、幸せに出来るとは思えないでしょう?榊さん…」

「ズルイですね、静時君は…」
< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop