君が嫌いで…好きでした
私の膝の上で寝息をたてている奏叶
一晩中寝てしまった私の変わりにチョコの事を見ていてくれた…
いつも強がってて…平気そうに笑って…
それが奏叶なんだろうな…
外は春の風が舞い吹き、遠くから色んな音が聞こえてくる
澄んだ青い空が何もかも包み込んでくれそうな大きな空
寝ている奏叶の髪にそっと触れる
意外と柔らかい髪なんだ…
たったこれだけ…
ただ一緒に居られるだけで私は幸せなんだ
神様お願い…これ以上何も求めないからこの小さな幸せを私から奪わないで
その日、チョコに変わりはなくまた奏叶は泊まっていってくれた
千菜「…ちょっと気になったんだけど…奏叶お家の人いいの…?」
奏叶「あぁ、大丈夫。ちゃんと許可取ってあるし、それに母さんの方は千菜に会いたがってるみたいだしね」
千菜「え…?」
奏叶「今度遊びに来てよ。母さん張り切ってケーキとか作るからさ」
千菜「う…うん…」
奏叶って…本当あっさりしてるな…
それって結構大事な事でしょ…
―――…そして次の日の日曜日のお昼頃
チョコは静かに息を引き取った…
チョコは最後まで私の側から離れようとしなかった
ずっと側に居てくれた最後の大事な家族だった…
千菜「チョコ…っ…」
涙が止まらなかった
いつか終わってしまう命…分かっていたはずなのにこんなにも苦しくて悲しくて…
奏叶はそんな私をずっと抱き締めていてくれた
千菜「…チョコは幸せだったのかな…」
奏叶「…幸せだったと思うよ。千菜が思ってるようにチョコもきっと千菜とのお別れは辛かったはずだから…チョコは千菜と一緒に居られてきっと幸せだったよ」
千菜「…うん…」
奏叶「お墓つくってあげよう?ちゃんとお別れしなきゃ」
千菜「うん…」
チョコ…チョコが居てくれたから私寂しくなかったんだよ
いつも側で私の事を支えてくれてありがとう
今まで一緒に居てくれてありがとう
どうか安らかに眠ってね…
さよならチョコ…
作ったチョコのお墓の前で手を合わせ、私達はチョコに別れを告げた