小さなキミと

VS 生意気少年

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プツ、と放送の電源が入った音の直後、キーンコーン……と、テストの終わりを告げるチャイムが鳴り始めた。


「はい、じゃあ後ろの人、集めて前に持ってこいよー」


相変わらずガラガラの声でそう言って、担任の鬼頭が教卓の上からクラス中を見渡した。


昨日校門の前に仁王立ちしていたおっさんが、今は担任として教壇に立っている。


最悪だ。

この人が、これから1年間あたしの担任なのだ。


おっさんとの距離、およそ1メートル。


さらに不運なことに、あたしの席は最前列で教壇のほぼ正面。

正確には、教壇のちょい斜め右前だけど。


いちいち威圧的な声に、あたしは早くも嫌気がさしていた。


入学式の後の彼の説教、あれを思い出すだけで気が滅入(めい)る。


30分近くも説教された後、作文用紙3枚分の反省文を書かされたのだ。


服部とかいう、おチビさんと一緒に。


たかが二人乗りじゃん、まったく。

思い出しただけでムカつく。


入学式から一夜明けた今日は4月9日。


朝からずっと実力テストだった為、一日中硬い椅子に座りっぱなしで、身体中がガチガチだった。


テスト用紙を集めに来た、列の最後尾の生徒に答案用紙を手渡し、あたしは肩や首を遠慮がちに回した。


テスト用紙を回収し、鬼頭が諸連絡をいくつか喋ってクラスは解散になった。


時刻は午後1時半を回ったところ。


まだまだ打ち解けていない雰囲気だけど、出身中学が一緒の人がいるのか、教室はそれなりにざわついていた。

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