きっと、明日も君がすき。


「本当だねぇ」

中庭に咲いている梅が綺麗だなーなんて思いながら卒業生が出てくる。

卒業生が出てきてしまえば誘導と言っても見守るだけだ。

みんながばいばいと写真撮り、言われれば一緒に撮ってあげたり、写真を撮ってあげたり。


「志桜里ちゃんっ…!」


あ…!


人混みの中から私の方へ真っ直ぐ走ってきたのは、大島さん。


「良かった、先生にもう会えないかと思ってた…!」


「…どうしたの?」

「あのね、これ…」


そう言って差し出されたのはケータイ。


不思議に思いながら覗くと、画面の中で笑う大島さんと男の子。

きっと、昨日ミサンガを渡すと言っていた先輩なのだろう。


そして、その男の子のその手には、プレゼントが入っていたのだろう袋とタオル。


顔をあげれば、満面の笑みで。


「佐田先生が、昨日私のとこまで来てくださったんです」


「佐田先生が?」

頷く。

「佐田先生が、タオルを渡せばって教えてくれたんです。タオルなら何枚あっても使えるし、貰った人くらい覚えていると。サッカー部なら実用性のあるものの方が喜ぶって」




< 143 / 156 >

この作品をシェア

pagetop