きっと、明日も君がすき。
「本当だねぇ」
中庭に咲いている梅が綺麗だなーなんて思いながら卒業生が出てくる。
卒業生が出てきてしまえば誘導と言っても見守るだけだ。
みんながばいばいと写真撮り、言われれば一緒に撮ってあげたり、写真を撮ってあげたり。
「志桜里ちゃんっ…!」
あ…!
人混みの中から私の方へ真っ直ぐ走ってきたのは、大島さん。
「良かった、先生にもう会えないかと思ってた…!」
「…どうしたの?」
「あのね、これ…」
そう言って差し出されたのはケータイ。
不思議に思いながら覗くと、画面の中で笑う大島さんと男の子。
きっと、昨日ミサンガを渡すと言っていた先輩なのだろう。
そして、その男の子のその手には、プレゼントが入っていたのだろう袋とタオル。
顔をあげれば、満面の笑みで。
「佐田先生が、昨日私のとこまで来てくださったんです」
「佐田先生が?」
頷く。
「佐田先生が、タオルを渡せばって教えてくれたんです。タオルなら何枚あっても使えるし、貰った人くらい覚えていると。サッカー部なら実用性のあるものの方が喜ぶって」