きっと、明日も君がすき。
しまった、と思ったのは、掛けられた声にビクリと肩を揺らした後。
あからさまに棘のある声の掛け方にゆっくりと振り向けば、見たことのあるような、無いような女の子達が5人。
上履きのスニーカーのラインから、同級生だということは分かった。
同じクラスになったことは一度もない。5人それぞれを見た後、正面の子を見つめる。
向こうからは冷たく、ささる視線を受ける。
校舎の一番端の倉庫。
先輩たちが置いていった絵や、道具が置いてある場所。引退前最後となるコンクールの作品の参考になにか無いかと見にきた帰り。
たまたま見つけたのか、待っていたのか。放課後だから、なんて理由ではなくここは用がある人か授業中にサボる場所として利用する人しかこない。
「…何?」
弱弱しい姿を見せちゃだめだと思い、タメ口で聞く。
ここで弱いところを見せれば、何をされるかわからない。
「……あんたさ、いつまで嘘ついてるつもり?」
正面の子が、口を開く。
「嘘?」
「佐田くんと付き合ってるってさ、嘘ついてんじゃねーよ!」
叫ぶように大声で言われた声が、耳に突き刺さり、顔をゆがめる。
うるさい。
「…嘘なんてついてないけど」
「はぁ?まだしらばっくれる気?」
「しらばっくれてないけど」