神様なんていない
遠矢の家に着き、インターフォンを鳴らす。


少し間があり、遠矢の声が聞こえてきた。


「遠矢!私。唯だよ」


「唯か......」


遠矢の声は、とても以前とは比べ物にならないくらい沈んでいた。


「退院したんだね!心配したんだよ遠矢!」


私は涙声で叫んでいた。


玄関のドアが開いた。


遠矢が車イスに座り、私を悲しそうな目で眺めている。


遠矢に足がなかった。
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