神様なんていない
「違うよ、遠矢。私は遠矢が、どんな遠矢でも好き。私に......私にとってあなたは......」


「もう俺は唯を守る事なんてできねーよ」


「私が今度は遠矢を守る......」


遠矢はうつ向いた。地面には涙の波紋が広がっていた。


「遠矢......」


遠矢は嗚咽を漏らし、泣いていた。


「愛してる」


「ただ俺は、そばにいることしかできねーよ」


「私は遠矢を愛してる」


雨がいつの間にか、降っていた。遠矢の泣き声は雨の音に吸い込まれていた。
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