黒と白
プロローグ

黒と白

3LDKのその部屋はいつも物が散乱していた。


広めのリビングに大きなテレビ。
茶色のふかふかのソファーの上には、何やら分からない請求書と本の山。

灰皿の上にはわたしと彼のお揃いの銘柄のタバコの吸殻が山のように散らばる。


奥に行けば寝室があって、そこにもごちゃごちゃと物が散乱している。


2組敷かれた布団。


けれど1組の方には何枚もの布団やら、可愛らしいヌイグルミやらがごっちゃごちゃに並び、実質使っているのは1組の布団だけ。


ふたつ枕が並んで

薄いかけ布団が無造作に置かれているだけ。


まだ意識がおぼつかない。

あれからどれくらい時間が流れたのかはわからないけれど、重たい瞼はまだ開かない。


やっとの思いで立ち上がろうとすると、リビングの奥からガサリ、と人の動く気配を感じた。


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