【短編】その瞳に映るもの【完結】
ぴーん、ぽーん
二人暮らしの小さな我が家に、平凡なチャイム音が響く。
朝から誰だろうと、パンをかじりながら思った。
玄関からガチャ、とドアを開く音が聞こえる。
「 ......え? 」
「 李月さん、いますか? 」
驚いたような兄の声と、落ち着いた低い声。
先輩の、声。
「 り、李月?お、お客さんだぞ? 」
明らかに兄は動揺している。
それほどの、ことだろうか。
そう思いながら、パンを片手に玄関へ向かった。