絶対やせて貰います。



その翌日

小岩井家を訪問した私は……

「こいちゃ~ん」

玄関で迎えてくれたマリアさんにいきなり“ぎゅーと“抱きしめられることになる。

『くっ…苦しいー』

息が止まりそうです。

「母さん……こいちゃんが苦しそうだからもう離れて」

「だって~幸せは逃がしちゃいけないでしょ?」

幸せと私との因果関係は全く分かりませんが……

「こいちゃんが我が家に来るようになって良い事ばかり続いているから……

確か例えがあった筈よ」

『“福が来る“とかそんなこと?』

「あぁーそうそう……“座敷わらし”よ」

「ブハッ」

吹き出したあと慌てて口を押さえた旭君。

でも我慢できなくなったのか?

「ハハハ……」と笑いながら涙を流している。

泣いてるし……泣き笑いしてるし……

「ハハ」愛想笑いをする私に

「ずっーと幸せで居たいから我が家から居なくならないでー」

マリアさんは真剣な表情で訴えかえる。

ニコニコとマリアさんに笑顔は向けたけど返事はしなかった……

というより出来なかった。



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